筋肉の生理学

 

人の筋線維は攣縮の遅い線維(Ⅰ型)と攣縮の速い(Ⅱ型)の2種類あります。

それぞれの特徴を表でまとめてみました。

  遅筋(Ⅰ型) 速筋(Ⅱ型)
作用 持続性緊張(姿勢性) 瞬間的局面性
攣縮速度 遅い 速い
代謝 酸化 解糖
ミオシンATP 不活発 活発
疲労(乳酸の蓄積) 遅い(蓄積しにくい) 速い(蓄積しやすい)
毛細血管密度 濃い 薄い
筋紡錘数 多い 少ない
神経分布 α2運動ニューロン α1運動ニューロン
障害されたときの反応 筋肉が短縮する 収縮力低下

筋肉の生理作用はその筋肉の作用によって決まります。

 

筋紡錘は細かく正確な動きが求められる筋肉に多く、大雑把な動きでも大丈夫な筋肉には少ない。

大腿直筋は1gあたり50個。

細かく正確な動きが求められる平衡感覚を司る後頭下筋群は1gあたり150~200個。

姿勢の制御をしている背中の深部の筋肉(回旋筋、多裂筋)は1gあたり200~500個。

 

筋肉からの情報は5つの受容器を経由して脳へ伝えられます。

  機能  
筋紡錘 筋線維の長さの変化  
ゴルジ腱器官 筋肉の張力  
パチ二小体    
自由神経終末 組織の損傷や毒性刺激を感知  
機械的受容器 触覚、圧覚、筋緊張、筋力などを感知