坂と下りや素早く動く時とゆっくり動く時では適切な重心な位置が異なります。

身体運動のレベルに応じて重心を感知する誤差の許容量が変わってきます。

ただ立つだけならかなりアバウトでもいいですが、ボルダリングの難しい課題だと数cmの誤差に抑えないと登れません。

重心を正確に感知するためには余計な力を抜くことが必須です。

 

身体の傾きを感知するのは頭部にある前庭(ぜんてい)という平衡感覚を司るセンサです。しかし、前庭は静止状態の傾きを感知するセンサなので運動の場面では機能が足りません。運動の場合は耳の奥にある半規管が加速度センサの役割を果たして動きの変化を捉えることができます。

 

ただ、前庭と半規管は頭部にあるので

筋肉の中にある筋紡錘(きんぼうすい)は筋肉にかかる張力を感じる器官でこの筋紡錘によって全身の筋肉に今どういう力がかかっているかを感知できます。

 

脳は筋紡錘の情報と前庭、半規管、そしてその他の情報を総合して重心や重力線の方向を認知してどう動こうとしているのかを感知してます。

 

だから重心を感知して正確にコントロールするためには全身の筋肉が重要な要素になってきます。

筋紡錘をセンサとして有効に働かせるためには筋肉に余計な力がかかってないことが必要です。